【農地法:農地の賃貸借の解約】


◆ 農地の賃貸借を解約する場合の許可制度(農地法第18条)

 農地を農地法第3条により賃貸借した場合には、当該農地の「賃貸借の解除・解約」は、下記の許可不要な場合を除き、都道府県知事の許可が必要となります。

 農地の賃貸借の解除等の許可申請書は、農業委員会に申請し、農業委員会は許可・不許可の意見書を作成し、都道府県知事に送付します。(標準処理期間40日以内) 

 

留意事項

 賃貸借の期間満了前に更新しない旨の通知(通知には都道府県知事の許可が必要)をしないときは、従前と同一条件でさらに賃貸借をしたものと見なされます。〔農地法第17条〕  

 なお、民法の規定により賃貸借の存続期間は20年以内とされていますが、農地の賃貸借については民法の特例として50年以内まで可能です。〔農地法第19条〕   


【許可の対象】

・農地等の賃貸借の解除・解約の申し入れ、合意による解約、更新拒絶の通知

 

【許可不要の場合】

合意による解約(書面必要)

  ※ 農地等を引き渡すこととなる期限前6ヶ月以内に成立した合意です。

10年以上の期間の定めのある賃貸借の更新拒絶の通知

  ※ 賃貸借の更新をしない旨の通知が、10年以上の期間の定めがある賃貸借の場合です。

水田裏作を目的とする賃貸借について更新拒絶の通知を行う場合 など          


農地の賃貸借の解約手続き
農地の賃貸借の解約手続き

〇この許可は、次のような事由がある場合にだけ認められ、単に「農地を売りたいが、賃貸借があるのでは売りにくいから」といった理由だけでは認められません(同条第2項)。

  • 賃借人が信義に反した行為をした場合
  • 農地等を農地等以外のものにすることを相当とする場合
  • 賃借人の生計、賃貸人の経営能力等を考慮し、賃貸人がその農地等を耕作又は養畜の事業に供することを相当とする場合
  • 賃借人である農地所有適格法人が農地所有適格法人でなくなった場合、農地所有適格法人の構成員となっている賃貸人がその法人の構成員でなくなり、その賃貸人(世帯員等を含む)が許可を受けた後において耕作等の事業に供すべき農地等のすべてを効率的に利用して耕作等の事業を行うことができると認められ、かつ、その事業に必要な農作業に常時従事すると認められる場合
  • その他正当の事由がある場合